同じ人間の道を歩み…

332 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2014/03/21(金) 02:27:58.89 ID:ipzynyQ30
邪神能力のすべてを捨てて真尋と同じ人間の道を歩み
ともに過ごしともに老い死んでいくニャル子さんも良いと思う


書いてみた。
(注意)エロなし

─ ─ ─ ─ ─ ─ ─

510 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2014/03/30(日) 09:52:56.08 ID:Hk5Si9AV
「ニャニャ、ニャ、ニャ、ニャニャヤル子ォオォ?ーーー」
いつもながら耳障りなクー子の声ですが、今回はかつて無いほどにうるさく騒がしいものでした。
「ほ、ほのほんとうにい?」
地球のしゃべりはいささか心許ないハス太君でしたが、いつも以上に意味を理解するのに苦慮するほどです。
二人の声を聞いて愛しの真尋さんがやって来ました。「またか?今度はどうした?」と表情から読み取れます。
「またか?今度はどうした?」
ほら、思った通りでした。
「ニャル子ちゃんが地球人なの!」
「ニャル子が、ニャル子が人でなしで無くなった……」
両方口々に言いますが、これでは話は通じないでしょう。あとクー子、人でなしでない=人と、勝手に言葉を
作らないように。これだから学の無いヤツは困るんですよ。
お母様もいらっしゃったので、ここでクー子を罵倒するのは控えておきますが。
「翻訳頼む、ニャル子」
「私、人間になりました。早く人間になりたーい、が叶った感じですね」
「どこの妖怪人間だよ……って、はぁっ?」
いつもの心地よいツッコミです。もっとも後半はさらなる説明の必要を感じさせましたが。
「ニャルラトホテプですから、人間として生きていくのに何の不思議がありましょうか!?」


511 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2014/03/30(日) 09:53:28.30 ID:Hk5Si9AV
原典を紐解くまでも無く、ニャルラトホテプが人間の姿になり、人間の社会に紛れて生活しているのは有名です。
同じ事をする、ただそれだけなのです。
「ニャル子、惑星保護機構の仕事はどうするの。もう、今までみたいに戦えないじゃない」
「地球は二人に任せます。私は有給使って悠々自適と決め込みました。もともとそのつもりでしたし。
……今となっては一生分の有給ですから、文字通り一生遊んで暮らせますね」
「有給って地球の三百年とかいっていたヤツか……一生分?」
真尋さんが疑問を挟みます。いよいよ、いよいよ真面目に説明しなければ行けません。
「人間になりましたから、寿命はせいぜい百年くらいですので……」
その数字は人間にとっては十分でしょうが、私達……この表現は今となってはいささか不適切なのですが……
からすると、短いと言わざると得ません。
「おい、どういうことだよ、お前らに言わせれば、地球人なんて虚弱貧弱無知無能で、寿命も短くて、
そんなのになるだなんて……」
真尋さんが取り乱しています。その原因が私にある事を申し訳なく思うと共に、原因が私である事に
優越感じみた物を感じざるを得ません。
その口を、今回はいささか残念ながら右手の人差し指で塞ぎます。
「私自身の心を見つめ直して、私の本質はやはり混沌だと思いました。
『真尋さんと一緒になったら幸せになれる』そう確信していて、それでいて『真尋さんと一緒になれるなら
不幸になってもかまわない』とも信念を持っていたのです。人間になって困る事もあるでしょう。
それでも二人でなら何とでもなりますよね?」


512 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2014/03/30(日) 09:54:07.05 ID:Hk5Si9AV
真尋さんを見つめ直します。それに答えてか、私の名前を紡ぎ、私の体を抱きしめてくれました。
それは壊れ物を扱うかのような優しい抱擁でした。心の中で『壊れ物』を『大切な物』に勝手に修正してみます。
勝手に頬が緩んでしまいました。
混沌ついでに言えば、優しく愛されるのを非常にうれしく思うとともに、激しく愛されるのも望むところです。
真尋さんに気負いさせるのも何ですし、少しばかり安心させても良いでしょう。
「安心して下さい。これでも……」
「ニャル子、戦闘力たったの28000だよ。これからどうするの!?」
クー子がばらしやがりました。
「えっと、セガールって単語が頭に浮かんだんだが……」
「セガール未満です。大丈夫、地球人レベルです」
他にも物言いたげな表情を浮かべる真尋さんでしたが、ふと柔らかくなります。
腕に力を込めたのか、私達の体がより密着します。少々手荒に扱っても問題ないと理解していただけたようです。
「家のヒロ君をこんなに愛してくれるだなんて……あっ、もう家のじゃ無くて、ニャル子さんのね……
なんだか羨ましくて、ちょっとパパに会ってくるわ!」
お母様が余分な二人(クー子とハスター君)を引っ張って部屋を出て行かれました。
「真尋さん、末永くよろしくお願いしますね」

  • 最終更新:2014-08-16 18:37:54

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード