【未完】現在八坂家に二人しかいない

393 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/21(月) 22:44:10.38 ID:ymlkcb1J [3/8]
「……少年、ニャル子とちゅっちゅらびゅらびゅしたい」
「懲りない奴だな……」
「ゲームでは栞三枚挟んだチェス駒の統率者や新創地ともちゅっちゅらびゅらびゅできた。
理論上、ニャル子ともちゅっちゅらびゅらびゅできるはず……!」
「はぁ……」

鼻息を荒くして力説する邪神をみやりながら、人間・八坂真尋は溜め息をつく。
このやりとりや、目の前の少女の姿をした邪神・クー子の過激な発言にも、だいぶ慣れはした筈なのだが。

さすがに休日の朝から、しかも二人きりの状態でこれは、正直疲れるものがある。

そう、現在八坂家には真尋とクー子の二人しかいない。
母親は仲間からの一狩り行こうぜ!の誘いに乗り外出。
ニャル子は、謎のコンサートに強制連行された。
上司と電話のやりとりの際、無駄にボケ過ぎたせいらしいので自業自得だが。
ハス太も頻繁に来訪してくるが、今週は仕事の手伝いが忙しいらしく、恐らくこないだろう。
つまり今日一日は、クー子と二人きりの状態が続くわけで、真尋も当初はそれを歓迎した。
邪神集の中でもクー子は比較的大人しく、ニャル子のように騒がしくしたり、絡んだりしない。
仕事が休み、或いは待機命令の時は、居間で黙々とゲームなどをやるのが日課。
ゲーム独特の機械音は響くが、這いよるマシンガントークに比べたらずっと静かだ。
だからこそ真尋は喜んだ。
ニャル子が来て以来、めっきり減ってしまった平和で平穏な休日の到来を。

「……どうして?ニャル子が燕返し100持ちでも、寝込みを連撃すれば堕ちる筈なのに……」
「召喚耐性が100なんじゃないか?」
「……!盲点だった……」

だが、どうしてこうなった?……とは真尋は口に出しては言わない。
冷静に考えれば、こうなることも予測できたからだ。
確かにクー子は大人しいが、ことニャル子が絡んだ場合は烈火の如き情熱と欲望を解放する。

(僕も、かなり毒されてるな……)

とはいえ、これでもニャル子に比べたらマシと思ってしまったり、邪神のボケに付き合ってしまったりと、
真尋も自分の変化に気がつき、溜め息はどちらかと言えば自分に向けられたものだった。


394 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/21(月) 22:45:06.71 ID:ymlkcb1J [4/8]
「…………じゃあ少年、これはどう?」
「なんだ?また前みたいなこと考えてるんじゃないだろうな?」
「わたしが少年を孕ませて、ニャル子を間接的に手に入れる?」
「それだよ」

会話の中に異質な言葉が混じっているが、それも今となっては日常茶飯事。
邪神の扱いに慣れ、その行動パターンも把握してきた真尋は、先手を打って発言を潰しにかかる。
ニャル子に対しては特に効果は抜群であり、一時的にではあるが彼女のテンションを下げることが可能だ。
クー子はニャル子ほどではないが、少ししょんぼりとした態度をとる。

「……今、言おうとしていたのは………………似ているけど、違う」
「え?」

だが、今日はいつもと様子が違った。
追い打ちのちらつかせフォークにも反応を示さず、間を置いてからの否定。
若干うつむかせた顔が、心なしか赤く見える。

「……………………」
「な、何を考えていたんだ?」

そんないつもと違うクー子の様子に、真尋も僅かに動揺する。
相手がニャル子であればまた何らかの作戦かと疑ったが、目の前にいるのはクー子である。
基本的に作戦や謀とは無縁、何かを考えるよりも先に自分の欲望に忠実に行動する性格の持ち主だ。
この様な姿は、滅多にさらさない。

「……少年が……」
「僕が?」

「わたしじゃなくて……少年が、わたしを孕ませる……」

「…………」
「…………」
「え?」

そしてクー子は爆弾を投下した。
思わず真尋の手からフォークが滑り落ち、フローリングの床に突き刺さるがそれを気にする余裕はない。
今度は見間違いではなく、確かに顔を赤らめているクー子に対し、真尋はただ一言しか喋れない。

「……駄目?」
「いや……駄目とかそういう問題じゃないだろ!?
そもそもそれニャル子から更に離れてるぞ!?僕がクー子をその……孕ませる意味ゼロだよな!?
って僕は何を言っているんだ!クー子、冗談は程々にしろっ!」

首を僅かに傾けてくるクー子の追撃に、ようやく真尋の頭は情報の処理を始めるが、追いつかない。
目の前にいるのが邪神だとわかってはいても、見た目は非常に可愛らしいのだ。
そんな少女からたとえ冗談であっても先程の様なことを言われては、
青少年たる真尋に動揺するなというほうが酷である。

「……少年、わたしの言葉を全て冗談で片付けるのはやめてほしい」
「ば……だからニャル子を手に入れたいなら、僕を巻き込まない方法で――」
「少年は頭のいい子だと思ってたけど、仕方ない……実力行使」
「うわっ!?」

クー子の言葉が終わるや否や、真尋の視界がぐるりと回転。
気がつけば、クー子が真尋をソファーに押し倒している格好になっていた。
外見でこそ男女の腕力差がありそうに見えるが、実際は邪神と人間の差。真尋が適うはずもない。



395 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/21(月) 22:46:04.42 ID:ymlkcb1J [5/8]
「お、おいクー子!一体なんのつもりだ!?」
「……前に言ったのと、今言ったのは、似てるけど違う」
「同じだろ!両方とも――」
「違う。今言ったのは……ニャル子じゃなくて、少年が欲しい……そういう意味」
「な――んっ!?」

真尋が言葉を発するよりも早く、クー子の唇が真尋の口を塞ぐ。
クトゥグア種特有の、人間よりも熱を持った舌が真尋の舌を絡めとって蹂躙する。
かつての頬に触れるだけのものとは違う、脳を焼き焦がし溶かしてしまいそうな程の、深く狂おしいまでに情熱的な口づけ。

「んっ、…んぅ……ふ…」
「――――!!?」

「はふ……少年、少しは、わかった?」

数分ほど経ち、蕩けた表情でクー子はようやく真尋から離れた。
二人の間にかかる銀色の橋もやがて重力に従い切れて、服やソファーに小さなシミを作る。

「あ……」

真尋はそんな光景を、まるで他人ごとの様にぼんやりと見つめることしかできなかった。
本当に脳を溶かされたのか、思考はまとまらず、何が起きたかもわからない。

(なん……で、クー子が、僕に…?いや……そんなのはあとだ……!この状況はまずい……!)

しかし、満足気な表情のクー子の手が、見えずとも下半身にのびているであろうことは察知した。
邪神その他に囲まれた生活の中で培われた、危機探知能力だ。
このままでは確実にヤられる、脳ではなく全身がそう訴えていた。

「っ!やめろ、クー子っ!」

自己防衛本能。仕込まれていた銀のフォークを敵意を持ってクー子に放つ。
一度攻撃態勢となった真尋のフォークは、邪神といえど回避はできない凶悪な一撃。

「つぅっ……!?」

それはクトゥグアにも有効であり、狙い通りにクー子の動きは停止した。

「おいクー子……!」

かなり手荒な停止方法だったが、なりふり構っている場合ではなかった真尋は、
若干の罪悪感をねじ伏せて起き上がり、動かなくなったクー子の両肩を掴んだ。

「っ!?クー子……お前……?」

だが真尋は、すぐに手を離した。
動きを止めたクー子の肩が、いや全身が小さく震えていたからだ。

「泣いて……いるのか……?」
「くすん……少年…少年もっ…ニャル子と同じで…わたしの愛を受け取ってくれないの……?」

顔を上げたクー子の瞳からは涙がぽろぽろと零れていた。

「クー子……」

それはフォークの痛みで流されたものではない。
未だ混乱している真尋でも、それだけはわかった。



396 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/21(月) 22:47:00.04 ID:ymlkcb1J [6/8]

「……落ち着いたか?」
「ん……」

しばらくして、クー子が泣きやんだ頃合いを見計らい真尋が声をかける。
混乱していた彼も、時間の経過とともに少し落ち着いてきた。

「なあクー子、一体どうしたんだ?ニャル子相手ならともかく、その……僕にあんなことするなんて……」
「……少年、それはさっき言った」
「いや、だから……」
「少年が欲しい。わたしが少年を孕ませるんじゃなくて、少年にわたしを孕ませて欲しい。
少年のフォークで、わたしを刺し貫いて欲しい。少年と……えっちしたい」
「お、おま……!?」

身を乗り出すように迫るクー子に対し、ストレートな言葉に顔を真っ赤にした真尋は後退り。
これでは結局さっきと同じ構図であるし、何よりも真尋は一番知りたいことを聞き出せていない。

「ま、待てクー子!僕とその、そういうことを…したい……って、なんで僕なんだ!?
お前はずっとニャル子一筋じゃなかったのか!?」
「……」

服をはだけつつなおも迫るクー子を直視しないよう気をつけつつ、真尋は最大の疑問点を漸く口にした。
ニャル子の存在をほのめかし、クー子を思い止まらせる意味も兼ねて。

「……確かに、ニャル子は愛してる。燃やしたい程に。それは今も昔も変わらない」
「おい」
「……でも、違うの。最近のニャル子を見てて……今までと違った意味で燃やしたくなってた。
これは愛とは違う、別の感情。……少年を独り占めするニャル子への、嫉妬の炎」
「嫉妬……?」
「最初はわたしも気がつかなかった。
でも日に日に猛り狂う炎……わたしが少年と一緒の時は落ち着いていた。
……これは、元は少年への感情。『LIKE』じゃなくて……『LOVE』の方……」
「ク、クー子……」

悪戯や冗談ではない、確かな意思の宿った真剣な眼差しに射ぬかれ、
クー子の独白を聞く真尋は、いつの間にか拒絶行動を止めていた。
そんな真尋の片手を、クー子が手に取り自身の胸へと押しあてる。


397 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/21(月) 22:47:54.48 ID:ymlkcb1J [7/8]
「う、わ!?クー子、これ以上は……まずいって!」
「……んっ!……わたしも、これ以上待てない」

手のひらに広がる温もりと、小さいながらも自己主張している柔らかな丘の感触、
眼前の少女が切なげに漏らす吐息に高まっている鼓動の音。
それらは全て健全な男子高校生のSAN値を異常な勢いで削り取っていった。
ましてやニャル子来訪以後、自分で処理することも満足できなかった真尋にとって、その破壊力は尋常ではない。

「クー……子……」
「……ずっとニャル子と少年を見ながら我慢してきた。少年が好き、でもやっぱりニャル子も好きだから。
ニャル子から少年を奪ったら、間違いなくニャル子は怒る……すごい喧嘩になっちゃう。
……でも、この抑えきれない衝動も限界。わたしにはニャル子がいない今しか、チャンスがない……
クトゥグア星人の口づけは強い誓いの証……わたしは退かない」

衣擦れの音とともに、クー子の上半身を覆っていた服は全て床にひろがっていた。
ニャル子と比較すればどうしてもボリュームに欠けるが、
それでもすらりと美しいクー子の肢体が、惜しげもなく真尋に披露される。
ごくりと唾を飲み込む音が、やけに部屋に響いた気がした。

「……少年、嫌なら後でわたしの全身にフォークを突き刺していい。……それはそれで気持ちいいから」
「え?」
「でも……いつもわたしやニャル子を、なんだかんだで気遣ってくれる少年の優しさに甘えていいなら……」

クー子の頭が、くたりと真尋の胸の上に置かれた。
明らかに熱を持っており、感情が昂ぶっているのがわかる。

「……赤ちゃんなんて贅沢言わない、ニャル子がいない今だけでも……わたしだけを見てほしい。
少年がいつかニャル子を選んでもいい……だから、…………して?」


472 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/27(日) 21:48:50.20 ID:yrdzp8iV [2/8]
「うぐっ……!」

潤んだ瞳で見上げてくるクー子の姿に、真尋のSAN値がさらに削りとられる。
元よりかなりの数値を誇る真尋だが、決して無限ではなく有限だ。
ある種ニャル子に鍛えられたおかげでまだ正気を保ってはいるが、真尋も己の限界が近いことは理解している。
相手がニャル子であればこのような窮地も何度か経験し、慣れてはいるのだが……
今回の相手はクー子であり、そして初めてかつ突然の出来事。
人間とは学習し成長していく生き物であり、不足の事態に完璧に対応することは難しい。

(くそ、僕は何を考えているんだ……!)

常日頃からニャル子のことを執拗につけ狙い、欲情しっぱなしだったあのクー子が。
こうして自分に迫り、自分を好きだと言ってくれて、羞恥によるものか頬を染めている。
普段とは似ても似つかぬそんな姿も、真尋には耐性がない。
さらにこれはニャル子相手にも言えることだが、真尋は萎れた彼女らには甘く、隙を見せてしまう。
目の前の涙目のクー子も、その例に漏れないだろう。
一見堅牢な真尋の盾、だが完璧ではなく、耐性が低いところばかりが狙い撃ちにされていく。

「……少年」

至近距離で、クー子の熱い吐息が首筋にかかる。
盾にヒビが入ってしまった状態では、最大の弱点にも攻撃は入ってしまう。

(ク、クー子……!)

真尋最大の弱点は、健全な一人の男子高校生であるということ。
女の子の体に興味がないどころか、むしろ強いぐらいだ。
連日の禁欲生活に加えて、止むことのないニャル子のテンプテーション。
見切れたらどれほど楽か、しかし裸体どころか下着にすら耐性の無い真尋には不可能な話。
口とは裏腹に、真尋のズボンの中では彼の息子が完全に臨戦態勢となっていた。

「……!少年、我慢は体に毒」
「お、おいクー子?何をする気だって――寒っ!?」

尚も必死に抗う真尋だが、突如その全身を強烈な冷気が襲う。
一体何事かと思うが、すぐに正体はわかった。クトゥグアの眷属の力だ。

「お前、部屋の中で何かんがえてんだ!?」
「……ん、少年、わたしは寒くない。わたしの身体は……あたたかいよ?」
「――っ!?」

言わんとしていることを悟り、真尋は絶句する。
ここまでするのか、この邪神は。
凍死したくなければ、自分に抱きつけ……人間の脆さを突いた完全に選択肢のない脅迫だ。
確かに行為自体は非常に容易い。腕をもう少し伸ばすだけでいい。
だが、もし一度触れてしまったらどうなるか……


「クー子……!も、もうどうなっても……知らないからな!?」
「……のぞむところ」

少年は、遂にその手を伸ばしてしまう。



473 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/27(日) 21:50:12.68 ID:yrdzp8iV [3/8]
「んっ……」
(あったかい……それに……!)

触れた手からクー子の体温が流れ込んでくる。鼓動が伝わってくる。
寒さのせいか、或いはクー子の熱で自制心を焼き切られでもしたのか。
気がつけば、真尋は無意識のうちにクー子を抱きしめてしまっていた。

「……少年、思ったより積極的」
「う、うるさいな!お前が気温下げたり、そんな切なげな顔するから……!」

反論はするが、内心は真尋もわかっている。自分が言い訳をしていることを。
相手は邪神だから、力で抵抗しても勝てるわけないから、フォークがないから……他にもまだある。
だがそんな言い訳をねじ伏せるように、怒涛の勢いで押し寄せる別の感情。
クー子のぬくもりをもっと感じたい、この良い匂いをもっと嗅ぎたい、柔らかさを堪能したい……
建前など関係ない、男としての獣じみた本能。

(最低だな、僕って……)
それだけでなく、心のどこかで冷静に打算している自分がいることにも真尋は辟易していた。
クー子の言う通り、今日だけならいいんじゃないのか?
それだけなら誰にもばれることもない、二人だけの秘密になるんじゃないのか……?
クー子の純真な好意を踏み躙り、男の性欲の捌け口にしているようなこの罪悪感。
その感情すら飲み込んで、動いてしまうのは口ではなく手。
軽く抱きしめた状態から、肌同士をさらに密着させ、引き寄せる。

「……少年、あたってる。あててんのよ?」
「っ!仕方がないだろ!ぼ、僕だって、男なんだぞ……!」

至近距離に、淡々とした口調ながら顔を赤らめたクー子がいる。
すぐ下には、無駄な肉など一切ない細くしなやかな少女の肉体。
お腹のあたりに、自分のものを布越しに押しつけている感触。もはや限界はすぐそこだ。

(だ、駄目だ駄目だ駄目だ!やっぱりこんな……!)

「……少年、その欲望、解放するべき」


ちろりと赤い舌を出し、クー子が真尋の唇を奪う。
先ほどとは違う、触れる程度の柔らかなものだが……

「っ!ク、クー子おぉぉぉぉぉぉ!!!」
「……きゃ……!」

その甘い一撃は、少年の理性を完全に瓦解させるには、十分だった。



474 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/27(日) 21:51:06.52 ID:yrdzp8iV [4/8]
「お前ら邪神ってのは、どうしていつもそうなんだ!僕の気も知らないで……!」
「……しょ、少年ちょっと待っ……ひぅ!?」

急に押し倒され体勢が逆転し、慌てるクー子が短い悲鳴をあげる。
括れた腰の真ん中のくぼみ、おへそを真尋が弄くりはじめたのだ。
まわすように指の腹を押し当て、時々軽くぐりぐりと奥まで刺激を与え、
背に回したもう一方の手も動かして、なだらかな背中のラインをゆっくりとなぞる。

「……っあ……ん……!少年、くすぐったいし……すごく手つきがいやらしい……」
「少なくとも、お前には言われたくないな……」

突然の責めに身体をふるふると震わせるクー子に、真尋はさらに追撃を試みる。
両の手の動きが止まり、クー子はくすぐったさからの解放による安堵と、物足りなさで、
その表情を崩すが、すぐさま熱っぽいものに戻っていくこととなった。

「んぅ……!?少年……!?」
「毎回毎回ニャル子のことを想って、ところ構わず自分の身体弄ってたお前の方がずっといやらしいよ」
「……だ、だって……あくぅ!?」
「……そんなクー子を見ながら、僕はどれほど我慢したことか」

腹の辺りで蠢いていた手は、無遠慮に這いずりまわり、小さな膨らみに到達。
もう一方も背中から下降し、スカート越しにもわかる柔らかな尻を揉みしだき始めた。

 「……はぁ……ぁ……んっく!……ぅぅ……少年、ちょっと、待って……!」
「クー子が誘ってきたんじゃないか……」

薄い、膨らみのあまり感じられない胸をふにふにと撫でるように指が蠢めく。
小さいながらもそれは極上の柔らかさでもって確かに存在し、真尋の指を楽しませる。

「……あっ!はぁあ……そ、そんなに胸ばかり……!苛めないで……!」
「なら……こっちは?」
「ひぁ……!?」

クー子の抗議に合わせる様に、真尋はスカートを捲り上げ、下着の中に手を入れた。
布越しでも十分に気持ちがよかったが、直に触れるとまた格別な触り心地の尻肉は、
胸とは違った柔らかさと張りがあり、その滑らかな感触は魅力的だ。




475 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/27(日) 21:52:02.55 ID:yrdzp8iV [5/8]
「クー子、普段あれだけ発情して、ハス太に聞かせられないような言葉も言うくせに……
随分と可愛い声出すじゃないか?」
「……んぅっ!」

甲乙つけがたい触り心地に、行為はさらに加速する。
柔らかな丘の頂を彩るコリッと固く尖った乳首。
その先を指の腹で潰しては弾き、潰しては弾き……今度はその弾力と固さを楽しむ。

「……くぅ……あぁぁ……乳首コリコリしちゃ、だめぇ……あっ、やぁ……!?少年、そっち違う……!?」

再び抗議を遮り、名状し難い衝撃がクー子を襲う。
背面を蠢いていた手が割れ目をなぞりながら、後ろの穴を撫でたのだ。
本来行為に使用される場所ではないそこに、つぷりと指の先端が侵入してくる。

第一関節を曲げ伸ばしされるだけでも、全身が震えてしまう。
胸への愛撫も止むことなく続き、弄られ続けた先端はぷくりと膨れて一向に疼きが治まらない。

(……知らない、わたしはこんなの知らない……!)

全身を支配する、じんわりといやらしい疼き。
性知識に疎いどころか、むしろ幅広くカバーしている筈のクー子にも、この感覚は初めてだった。
ニャル子との夜、最近では目の前の少年との夜も夢想し、自慰に耽った回数は数えきれない。
だというのに、今こうして感じる快楽は、自慰とはまるで違う。

(……少年の指、気持ちいい……!)

自分の気持ち良い所は、自分が一番良く知っていると思っていた。
だが、恐らくこういった経験は皆無であろう少年の指がもたらす快楽は、
あの従姉の苛烈な攻撃にさえ匹敵、いや凌駕していると言える。
当初は自分が少年をリードするつもりだったというのに、身体がいうことを利かない。
フォークを持っていないのに、まるでフォーク武装した時と同じ様に抗い難い空気を纏った少年。
首筋に吸いつかれ、胸を玩具にされ、尻までほぐされ、全身を余すことなく蹂躙され……
初めて味わう強烈な快楽は、クー子の価値観を塗り替えていく。
今まで自分が得てきた快楽はなんだったのか?
自分、従姉と少年の違い。生物学上の女と男の違いだろうか?
それとも……愛する人の行為だからだろうか?
そこでクー子は、かつて冗談で少年に言った言葉を思い出す。



476 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/27(日) 21:53:39.15 ID:yrdzp8iV [6/8]
『そんなにわたしを少年色に染めたいの?』

かつて怒られた際、そう返した記憶があった。
今の状況は、まさにそれに近い。

(……わたし、本当に少年色に染められちゃったんだね……)

ニャル子以外にこんな感情を抱くとは思わなかった。

「……んぅっ!ぁんっ……あぁ……少年、もう……わたし……わたしぃ……!」
「クー子……っ!」

体温が上昇しているのがわかる。少年に火傷をさせてしまうのではないか。
そんな配慮さえ、染め上げられた脳から下される命に上書きされる。
とにかく、目の前の少年が欲しい。
どこか加虐的にさえ思える少年の激しい責めを、自分の身体は悦んでいる。
柄にもなく、恥ずかしいとさえ感じる。それでも……
全身を弄る少年の指先の事にしか頭が働かない。
ニャル子と比べてあんまりにも貧相、いつの頃からか気にし始めた自信のないこの胸を……
もっと弄って欲しい、もっと滅茶苦茶にして欲しい。
下着を降ろして、お尻もっと激しく責めて欲しい。
片手といわず両手で左右から鷲掴みにして、もみくちゃにして欲しい。

そこだけじゃない。

これは少年の意地悪なのか、それとも単に後回しにしているだけなのかはわからないが……
下着に手を突っ込みながら、未だに微塵も触れられていない……
それにも関わらずぐちょぐちょに濡れた股の間、大切な場所。
ニャル子のためにとずっと純潔を守ってきたが、今はとにかく……少年のモノが欲しかった。
下着はとうにその役目を果たしてなんかいない。
触れてくれないため、自分で足をもぞもぞと擦りあわせると、そのたびに淫猥な水音が響く。
炎の神性の自分が、顔から火が出るような思いをするとは思わなかった。
水音の規模から、きっと床も汚してしまっているだろう。
蕩けた脳の片隅で、迷惑をかけないよう後で自分で掃除をしておこうという考えが生まれた。

(……迷惑……少年に……)

それと同時に、不安も生まれた。
少年は確かに自分を抱いてくれている。
だがそれは自分が懇願し、尚且つ力ずくで進めたことに過ぎない。
激しいとはいえ痛みはない、優しさを感じるが、それはこの少年が元から持っているものだ。
今までどんなに迷惑をかけても、この少年はフォークで刺しこそすれ、慰めたり助けてくれた。
今現在行っている行為も、少年の優しさに甘えているに過ぎない。
今日限り……ニャル子とは違い、そう限定したからこそ抱いてくれているのだろう。
だが、身体の芯まで少年色に染められていることを自覚した今……
もうその約束を守れる自信はなかった。

(……これは、いけない)


477 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/27(日) 21:54:54.89 ID:yrdzp8iV [7/8]
「っごめんクー子!やっぱり調子に乗り過ぎたか!?」
「……え?」

気がつくと、真尋の顔がそこにあり、彼は謝っていた。
謝られた側のクー子は、何で謝られたのかわからない様子だ。

「……ごめん、僕も我を失ってた。泣くほど辛かったなら、焼いてもよかったんだぞ?」
「……!こ、これは違うの……!そう、少年に触れられて嬉しかったから、嬉し涙」
「そ……そうか。なら、よかった」

ようやく自分が泣いていたことに気がつき、クー子は涙を拭い弁解した。
半分本当、半分嘘のこたえ。
嬉しかったのは事実だが、泣いてしまったのはこの関係が今日限りのものだから。
多くは望まないと言っておきながら、やはり未練は強い。できるなら昼夜問わず毎日抱いて欲しい。
そんな考えを打ち払うように、クー子は再び口を開く。

「……少年、思ってた以上に触れてくれて嬉しい。しかも姉さんよりテクニシャン」
「あの人と比較されるのは何とも言えないが……正直自分でも驚いてるよ。
なんかクー子の声聞いてたら、もっと鳴かせたい、もっと聞きたいってなって、止まらなくて……」
「っ……少年」

真尋の言葉に反応してしまった素振りを隠して。
クー子は動く。自分の本音が漏れてしまう前に。

「……止まらなくていい。わたしの方がきっと、止まれないから」

立ち上がり、ぐっしょりと重くなってしまった下着とスカートを一緒に脱ぎ捨てる。

「クー子……こんなに……」
「……言わないで」
「ご、ごめん……」

完全な裸体、生まれたままの姿を真尋に晒し、クー子の身体が僅かに震える。
息を呑む音、集中する視線が否が応でも感情を昂ぶらせた。

「……ここに、少年のモノを入れて?
二段突きからのチャージでも、叩きこんで抉って突き上げる無双三段でもわたしは構わない。
それとも、少年実はマスカレイド?……大丈夫、ウェイクアップすればわたしが乱れ雪月花」
「なんでニャル子もお前も、そうやってすぐふざけるんだよ……」

少し呆れた表情の真尋に、本当のことは言えない。
いつものような悪ノリでごまかさないと、どうにかなってしまいそうだから、などと。

「……少年、今はニャル子の名前は出さないで」
「うっ……」
「……ティンダロスに噛まれ……いや、本当に普通の犬に噛まれたと思って……
今だけ、わたしを……お願い……」

クー子の秘裂が彼女自身の手により拡げられる。
それだけで、床にぽたぽたと熱い蜜が零れ落ちた。


  • 最終更新:2014-08-16 11:26:21

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