とりあえず、ピンク雰囲気な話から練習しようかと思います大佐

635 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/06/06(水) 04:13:46.69 ID:Uf+SMeDQ [3/6]
とりあえず、ピンク雰囲気な話から練習しようかと思います大佐

八坂真尋は考えていた。

一体全体、この状況は何なのだと、知っている者がいるなら問い詰めたい。
小一時間程問い詰めたい。
だが生憎、今現在この部屋には自分と、何故だか自分の上に跨っている美少女しか居ない。
チクタク・・・と、真っ暗な自室に無機質な時計の音だけが響いているようだった。
カーテンから差し込む月明かりが、自分をまたいでいる彼女のふとももを照らしていて、まるで誘っているようようだ。
何だ何なんだこの拷問は!我慢大会か!?意味がわからないし、笑えない!
この状況はもはや、本人に聞くしかないようだった。


「・・・あのーニャル子さん?僕の上に跨ってなにやってんのか、説明してほしいんですが?」

「何を、と聞かれれば 夜這い ・・・とお答えするしかありませんが。何か問題でも?

「大アリだ!のけ、年中発情期!」

顔面に思いっきり枕を投げてやった。
目の下あたりがヒクヒクと震える。コイツは・・・頭の中がお花畑牧場なのか?


しかし、何か様子がおかしかった。
ボトリと落ちた枕から覗いたニャルラトホテプの顔は、いつもの不遇に講義する様な表情でもなければ、
嘘泣きしてまるめこみ、あわよくば一回だけ!という企みも含んではいない。

彼女は無表情だった。

目だけが怪しく光って、狐の様に細く鋭く ただ此方をジッと見つめていた。

「・・・ニャル・・「真尋さん・・・?」

此方の声をさえぎって、彼女が自分に問う様に名前を呼んだ。
何だと答え様と、喉を震わせた刹那、彼女の手が自分のシャツから中に、這うようにして触れられた。
いきなりの事に驚いて,上へ上へと這ってくる彼女のその冷たい手を掴もうとするが、
自分の腕はギシリと鈍い音をたてただけで、まったく動かなかった。

何だ?

上を見ると、自分の頭の上で腕とベッドの柱が括られている。
まてまてまて、ちょっとまて。どーゆー状況だこれは。

「無駄ですよ、真尋さん。今日はもう絶対に逃がしません。今日こそは、私と1つになりましょう・・・」
顔に銀髪がサラリとかかる。迫ってくる彼女に目を見開いて、唇が触れる寸前でオデコをぶつける様にして止めた。
彼女が顔を傾ければすぐにでも触れられそうだが、質問する時間ぐらいかせげる。
顔を背けるという手もあったが、それは何故かしたくなかった。

636 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/06/06(水) 04:48:24.94 ID:Uf+SMeDQ [4/6]

「質問に答えろって。何なんだ一体。お前、様子がおかしいぞ。」

正直に言えば、ニャルラトホテプの夜這いは今日に限ったことではなかった。
ほとんど毎日の割り合いで彼女は夜更けに現れてはまぐわりましょう、そうしましょう!と
迫ってきたし、そんな彼女をやり過ごすのも慣れたものだった。

だがそれは、彼女が本気でなかったからだ。

今、自分の腕を締め付けている触手みたいなものはどんなに力をこめてもビクともしないし、
何より彼女の瞳が有無を言わせぬ凄味をもっていた。
こんな事は今まで一度もなかったのに。初めては殿方からシてほしいといった小さな唇は
ゆっくりと舌で舐められて、止まらない情欲を鏡の様に映していた。

「・・・どうして、私からの口付けをこばむんですか。私とじゃ、嫌ですか?」
「いや・・・そーゆーんじゃなくて・・・まず理由を話せよ。理由を。」
「嫌なんですね。」
「そんな事言ってないだろ!?」
「言いましたよ!言ったようなもんです!他の女の子とは出来るのに、どうして私からのキスは拒むんですか!?」

他の子との・・・キス?

一瞬ニャルラトホテプの言った意味が理解できなかった。
否、意味がわからない。
自分にはそんな覚えは欠片もなかった。

「ちょっと待て、何の話だ?」
「見たんですよ!昨日学校で、校舎の裏で女の人と接吻したじゃないですか!」

昨日 校舎の裏で 接吻・・・キス?

まさか


「違う!してないよ!」

「・・・!嘘をつくんですか!?真尋さん!」

「本当だって!僕がお前に嘘をついたことがあるか!?」

「ありますよ!!」

あった。

そういえば、クー子に書類を書いた時とかその他もろもろ・・・
しかし今回は本当の本気で嘘なんかじゃない。
ああ、だが自業自得だ。しかも、いいどもったせいで、ニャル子はますます疑いをつよめた様だった。
第一、自分は疑いを晴らすのは得意なほうではない。
警察に何もしてないのに職務質問されたら、無罪であっても焦ってしまう体質なのだ。

「・・・・・・わかったよ。僕がそんなに信じられないなら、好きにしろよ。」
結果、無抵抗になるしかなかった。
くっつけていた額を離して、枕にボフッと頭を静めた。

637 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/06/06(水) 05:28:23.65 ID:Uf+SMeDQ [5/6]

そうして瞼を閉じてしまえば、もう完全に降参のポーズだ。
どこからでもかかってこい。そのかわり、明日になったらフォークをこれでもかという程刺してやる。

真っ暗な瞼の裏を睨みつけながら、彼女のアクションを待つ。
暫くしてから衣がすれる音と彼女が近づいてくる気配があった。
彼女の甘い息がかかる。
瞳をギュっと閉じた。
肩あたりに手を添えられ、緊迫した空気が部屋に充満していた。
彼女の柔らかい胸がふわりあたる。

その瞬間、腕を拘束していた触手が解かれた。
腕が解放され驚いて目をゆっくり開くとニャルラトホテプのつむじが見えた。
彼女は自分の胸にコトリと頭をあずけていた。

「・・・我ながら、私も真尋さんにはつくづく甘いですね。でも、わかりました。」
「・・・何が」

意味がわからない。
呆気にとられているとニャルラトホテプはずりずりと頭を動かして此方を見上げた。

「・・・信じます。だって私が知ってる真尋さんは、嘘はつくけど誠実な人ですから。」
「・・・言ってる事凄く矛盾してると思うんだけど。」
「じゃあ嘘なんですか?」
「嘘じゃない!」

彼女は何がおかしいのか、さっきまでとは別人のように頬を染めて笑った。



638 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/06/06(水) 05:28:45.24 ID:Uf+SMeDQ [6/6]

「昨日のアレはさ、多分、校舎裏のゴミ焼却炉に行った時の事だと思うんだけど」
「ふむ?」
お互い、何をするというわけでもなくベッドでゴロゴロしていた。
一応お許しはもらえたが、誤解されたままというのも嫌だった。

「同じ当番だった子の目にまつげが入ってさ。痛い痛いっていうから診てあげてたんだけど・・・」
「・・・・まさか、私が見たのは?」
「それだろーな」
「そんなベタな!!!!」
ガバっと起き上がって、アホ毛をピンとたてている。
まったくもって、自分もそう思う。
物事の発端というのはこんなモンであったりもする。やれやれだぜ。
「というか、それを何で早く言わなかったんです?」
彼女がジト目で此方を見る。ふむ、何故だろう。
たしかに今現在無罪を説明するのであれば、おそらく3行で説明できると思う。
あの時はたしかに頭がまわらなかったというのもあるが、何より・・・

「案外、僕もたまってたのかもしれないな。」
「・・・・・!!!ま、まひろさん!?そ、それはもしや、性的な意味で・・・・・!?」

「あはは、なーんて・・・」

ちらりと見れば、彼女が自分の上に跨っていた。
・・・・アレ?
なんだかとってもデジャブなんですけど。

「まひろさぁん・・・貴方が望むのであれば、私はいつでも準備オッケーですよぉん!さあ、朝までジックリねっとり愛しまくりましょブルアアアア!!」

今日もいつもどうりの朝がはじまったのであった。

おしまい


  • 最終更新:2014-08-16 10:33:29

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