ニャル子が地球にいく前の話

650 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/06/07(木) 04:42:47.80 ID:ZYp7f+1T [2/9]
エロじゃないけど、ニャル子が地球にいく前の話をば。真尋さんも出てないです;
9巻ネタバレ含んでいるのでこれから原作見る方は注意してください!


つまらない世界だと思う。

タイムマシーン、空飛ぶ円盤、あらゆる技術の最先端にある宇宙だけれど、実質それがあたりまえである世界では別段珍しいものではない。
第一、他の邪神(ひと)より飽き性の強い自分は、どれだけ新しいモノが生まれても渇望するスピードの方が早い。
飽きては捨て、飽きては捨ての繰り返しに、いつしか自分は自分の感情がわからなくなってしまった。
地球という星のエンターテイメントはそれはそれは素晴らしいものであるけれど、お熱である時でも『どうせいつか飽きるんだろうな』
というどこか冷めた目で見てしまう自分がいるのも事実だった。

ああ、つまらない。

「ニャル子、この間出た“プリンスマン”さんの新刊見た?あんた、確かあの人が描くCP好きだったわよね?」
「ああ、それならとっくの昔にまん●だらけに売り飛ばしてしまいましたよ。
人気絵師さんの新刊だったし、高く売れたのでホクホクですが。」
「はあ!?あんた、まさかもうあのCPに飽きちゃったの!?」
「・・・当たらずも遠からず」
「・・・つまり図星なのね」

小学からの仲である同僚はズバリと当てて見せた。
飽きれたように息をついて首を振る仕草にニャルラトホテプはムッとする。
たしかに一般的にみれば飽きるのが早いかもしれないが、これでも長く続いたほうなのだ。

「アーッ!もうもう、つまんねーんですよ宇宙は!何かこう、胸がうずうずするような!!
真っ赤な誓いいいいいいいいいいいいいいいいい!!!みたいな!そんな弾幕が流れる出来事はないもんですかねぇ!!」
「さてねえ・・・、アンタが1つの物事に夢中になる事なんて、宇宙小学校の時もなかったし・・・あ。」

どこかの名探偵のように同僚が顎に手をあてて、しばらくしてピーン!ときたように顔をあげた。

「そういえば、小学校の時に先生に恋してたじゃない?あん時のアンタは輝いてた気がする」
「・・・・やめて下さいよその話は。」
「なんでよ。いいじゃない恋。すれば?あんたモテる癖に片っ端から断っていくんだから。
・・・・・・あ?ty・・・もしかしてアンタ、そっち系n「ねーですよ!!!」

気持ち悪い!心底キモチワルイ!!
男が好き、という気持ちはないが、だからといって同姓の女が好きなんてありえなかった。
たまにそーいった薄い本は見るが。しかし自分は二次元と三次元はキチンと分別できる。・・・多分。


「・・・確かにあの時は自分でも驚くくらい夢中になってましたけど、ある日を境に急激に冷めてしまったんですよ。
今はもう出会っても何とも思いませんし。」

女という生物は古来より色恋話が大好物といわれている。
実際、周りの同僚は恋人を複数もっているし、課長の部屋からは女が出たり入ったりしては、たまにガタガタと音がしたり
甘い声が聞こえてきたりする。だとしても、自分はまったく興味はない。
ドロドロとしたお昼の愛憎劇を見るのは大好きだったが。

そんな事するぐらいなら、仕事で宇宙犯罪者を血みどろに殺すほうがよっぽど楽しい。
お金にもなるし、経済的ではないか。

自分は多分、恋愛をしても超光速で飽きてしまうんだと思う。


651 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/06/07(木) 04:44:18.06 ID:ZYp7f+1T [3/9]

プルルルルルr・・・プルルルルルr・・・

その時、社内に置いてある電話がなった。助かった。この話から逃げられる。

「はいはーい!こちらシリアルナンバー27503号です!」
『・・・・社員にシリアルナンバーをつけた覚えはないんだけれど、中ニ?あんた中ニなの?』
「まあまあ、して、何か私に用なんですか?用なんですねわっかりましたー!」
『話をさせろ!!!』

上司からの電話だった。宇宙犯罪テロ組織が暴れているので一人残らず抹殺するという任務だ。
今からどうやって阿鼻叫喚を叫ばせて殺そうか、考えただけでゾクゾクする。
自分は根っからの邪神だった。これからもずっとそうだ。

「・・・んだば、ちょっくらお掃除してきますね。」
ゴキリゴキリと首をならして、席をたつ。
早く殺したい。釣りあがる口の端をこらえられない。


「・・・いってらしゃい。」

同僚は目を細めて怪しく笑った。


結局、その話はそこで流れ ニャルラトホテプは一個のテロ組織を壊滅させた。


数日後、同僚が病気で入院したという知らせがはいり、急いでギャラクシー安田総合病院に向かった。
命の問題ではないらしく、数週間入院すれば退院できるようで とりあえずは一安心する。

「ニャル子、来てくれたんだ。」

「まあ、私の数少ないお友達ですからね。これ、おみまいの暗黒畑のベリーメロン」

「わ。ありがとう。」

ベッドに横になる彼女は元気そうだった。
しかしどこか浮かない表情をしている。

「・・ついてなかったですね。せっかく地球の仕事が入ったというのに。」
「そうなのよ。まったく、あと数週間は動けないし、その仕事も急ぎのモノらしいから早く誰かに引きつげって上がうるさくて。」
「ま、どんマイケルですよ。」
「で、ね。ニャル子、あんたこの仕事引き受けてくれない?」
「・・・!私が?いいんですか?」

願ったり叶ったりの頼みであった。
このクソつまらない宇宙から出られる。それも、エンターテイメントの聖地、地球にいけるのだ。

652 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/06/07(木) 04:47:14.60 ID:ZYp7f+1T [4/9]
あ、でもダメだ。
そういえば、まだ片付けなければいけない仕事が大量に残っていた。

「机の上に書類があるでしょ。それが今回の仕事の護衛対象の資料よ。」

ベッドの傍にある机には、確かに何枚かの紙をまとめられた資料らしきものが置かれてあった。
どうするか。断りづらいが、コッチも徹夜確定の仕事が残っている。
とりあえず手もちぶたさにその資料を手にとり、何枚かめくる。
そこには護衛する地球人の顔写真(隠し撮りみたいだった)と、プロフィールが書かれている。



ピシャアアアアアアアアアアアアアン!!!!


雷が落ちたような、電撃が体に走る。
ニャルラトホテプの脳内にはその刹那、弾幕が流れたという。



「エンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
ダアアアアアアアアアア!!!      「エンダアアアアあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

アアアアアアアアアアアア
          エンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

       

ドックンドックン!!!!
体中の血液がめぐるましく駆け巡り、胸が躍ってはちきれんばかりに高鳴った。
資料にそなえつけられている地球人の顔写真。キリリとした、それでいて幼さも残すクリリとした瞳を持つ少年。
中性的だが、節々に男らしさみたいなものを感じる。名前は八坂真尋とかいてある。

息が苦しい。その写真を見るだけで顔に熱があがるようだった。
一目ぼれだった。まごうごとなき一目ぼれだった。

「ぬアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああアアアアアアアア
アああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

一応いっておくが、よい子は病院では静かに。
宇宙であっても病院では静かにするべきだ。これは全宇宙共通のマナーである。

「にゃ・・・ニャル子!!?」

ガシッ!!!!

腕をガッチリホールドされる。

「行きます!!!私が行きまイかせて下さい!!!!!」

ものすごい形相でニャルラトホテプが食いついてきた。正直、超怖い。

653 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/06/07(木) 04:49:35.92 ID:ZYp7f+1T [5/9]

「・・・お、お土産に同人誌買ってきてくれるならね。あんたしかこんな事頼めないし・・・」
「まっかせなさい!!!宇宙鯨にも乗せられないぐらい沢山持ってきてあげますよ!!!!」
もはやこの少女の勢いはやめられないとまらない

「あ・・、でもアンタ、仕事とか残ってないの?」
「問題ナッシング!!今日の夜中には全て片付けますから!そうだ、今から地球旅行の準備しとかないと・・・それじゃあ親友、恩にきます!
お土産は同人誌と私と彼のニャンニャンライフ話をお届けしますよ!!b」
「・・・た、楽しみにしてるよ」
「では今日はこれで!!さらばだ!へあ!!」

資料を胸に抱えて、嵐は去っていった。
今まで見た事もない表情をして。


「八坂真尋・・・真尋さんか・・・・」


えへへ。頬を染めてニャルラトホテプは自宅に向かって走りだす。
地球に行くためには、彼に会うためには ためていた仕事を片付けなければいけないからだ。

早く彼に会いたい。
彼の事をもっと知りたい。

この想いから、見えないパワーが湧いてくるようだった。


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とりあえず締めとく
説明遅くなったけど、色々妄想の産物なんで許してくれ

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655 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/06/07(木) 07:34:57.11 ID:D+OX4HQV
まん●だらけ…なぜだろう。すごく卑猥にry

656 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/06/07(木) 09:23:26.85 ID:PcVNpOax
ただのかぐや消しなのに○が●になっただけで・・・いやらしい・・・

  • 最終更新:2014-08-16 10:35:15

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