朝の出来事

897 名前: 朝の出来事 1/3 [sage] 投稿日: 2013/05/06(月) 23:49:39.95 ID:YbzUn2+w [1/3]
カーテンの隙間から部屋に朝日が差し込む。
ベッドの上で銀髪の少年が横になっている。
少年はまどろみの中にいた。
今日は学校が休みなので、起きる必要はない。
少年は再び眠りにつくことにする。
意識がだんだん遠くなっていく…

次の瞬間、少年は母親譲りの宇宙CQCを発動させる。
手に全長1mは超えるかと思われる巨大フォークが出現する。
そして父親譲りの0フレーム起動でフォークをバットの如くおもいっきりスイングする。

ドカッ
フォークの先端が何かを捉える。

ベチッ
フォークによって飛ばされたものが壁にあたる。

「うにゅ~」
落下地点から何か音がした。

「ふぅ~」
少年は息をはくと再び布団にくるまり寝る体制になる。
「ひどいよ…」
落下点から声があがる。
仕方ないので少年は起き上がり、声がする方向を見る。
「痛かったよ…」
幼馴染みの少女が半べそで頭をさすりながらこちらを睨んでいる。
…が、いまいち迫力に欠ける。
あれだけの攻撃を受けても平気なようだ。
「ひどいよ…」
「いや、命の危険を感じたので防衛本能が働いただけだ」
「せっかく起こしに来たのに…」
「今日は学校が休みだ」
「だから来たのに…」
「なぜ?」
「起こしに来た幼馴染みを寝ぼけてベッドに引きずり込んで抱き締めてくれるはずなのに…」
「一応確認するが出所は?」
「お義母様とお義父様の若い頃の思い出話」
「……」
少年は立ち上がる。
そのまま無言で少女に近くと首根っこを掴み持ち上げる。
小柄な幼馴染みは簡単に持ち上がる。
「え、ちょっと~」
ガッチャ
部屋のドアを開け、そのまま外に放り出す。
ベチッ
何事もなかったかのようにドアを閉める。
ついでにきちんと鍵も忘れずかけておく。
ドンドンドンドン
「ニャ尋君、あけてよ~」
少女がドアを叩くが気にしない。
しばらくして諦めたのか、再び部屋に静寂が訪れる。
今日は学校が休みだ。
ニャ尋は再びベッドに潜りこむ。
数分後、ベッドからニャル尋の寝息が聞こえた。

898 名前: 朝の出来事 2/3 [sage] 投稿日: 2013/05/06(月) 23:50:53.02 ID:YbzUn2+w [2/3]
再び意識が覚醒してくる。
薄目で時計を確認すると、あれから1時間程経過したようだ。
(今朝は変な事で起こされたからな…ふぁ~)
ニャ尋はあくびをすると、無意識に腕にのっかっている抱き枕を抱き寄せる。
(抱き枕なんてあったか…?)
閉じかかって来た重い瞼を開き自分が抱いているものに目を動かす。
次の瞬間、ニャ尋の意識は冷水をぶっかけられたように覚醒する。
「なななっ!!!???」
先程追い出したはずの幼馴染みのハス子がそこにいた。
自分の腕を枕にして、自分のパジャマのスソをつかみスヤスヤと寝息をたてている。
しかもお揃いのパジャマまで着ていた。
「はぁ~」
父親と母親譲りの赤黄色のさらさらした髪、柔らかそうな肌、さくらんぼのような唇…
(眠ってる時は別人だよな)
勝手に部屋に侵入して人の布団に潜り込んで来たのに不思議と怒りは湧いてこない。
本来なら叩き起こして追い出しているのだか、今は何故かいとおしさを感じる。
(相手はハス子だぞ。そんな事ある訳ないないない)沸いてくる感情を否定つつも、抱き締めたハス子を離す気にはなれない。
いつの間にかハス子の髪を優しくなでていた。
絹糸のような手触りの良い髪をなでると、何故か落ち着く。
「う~~ん……」
ゆっくりとハス子が目を開ける。
目があった途端にハス子の顔が真っ赤に染まる。
「ニャ尋くん!!」
「うるさいな~」
「ごめんなさい…」
「でどうした?」
「この状況…」
「嫌か?」
「嫌じゃないけど…」
「何だか?」
「その…恥ずかしいよ…」
「気にするな。俺も恥ずかしいから…」
二人ともらしくなくベッドでおとなしくお互いの体温と心臓の鼓動をずっと感じあっていた。
ニャ尋のハス子をなでる手の動きは続けている。
「ニャ尋くん…」
しばらくしてハス子がニャ尋が顔を見て目を閉じる。
「しょうがないな」
ニャ尋はハス子を抱き直すと唇を重ねる。
二人だけの時間がしばらく流れる。

899 名前: 朝の出来事 3/3 [sage] 投稿日: 2013/05/06(月) 23:52:49.93 ID:YbzUn2+w [3/3]
ガチャ
「ニャ尋、そろそろ起きなさい…」
絶妙なタイミングで入ってくる母。
二人が抱き合ってキスしている姿を見て硬直する。
「こ、こ、こ…」
時が止まる。
「真尋さ~ん~」
いち早く復活した母が目を輝かせて部屋を出ていく。
部屋には抱き合って石化したままの二人が残されるのであった。




保守ついでに投稿しました。
真尋とニャル子の未来の話です。
国語赤点の私にとってはこれが限界です。
気が向いたら続けます。

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保守ついでに投稿しました。
真尋とニャル子の未来の話です。
国語赤点の私にとってはこれが限界です。
気が向いたら続けます。

  • 最終更新:2014-08-16 14:05:47

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