歳の初めの邪神参り

姫初めものを書いたので投下。

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360 名前: 歳の初めの邪神参り1 [sage] 投稿日: 2014/01/10(金) 18:02:23.41 ID:kKvjyyzx
北海道の冬は寒い。
参拝客の靴底で磨きあげられた雪はテカテカと光り、参道をいびつなスケートリンクに変えていた。
「きゃあっ!」
アイスバーンに足を滑らせた少女が倒れるのを、彼は咄嗟に受け止める。
不安定な氷の上で二つの影はもろともにすっころんだ。

「いったたた…大丈夫か?ニャル子…」
背中から倒れた少年は、抱きしめる形で庇った少女に声をかけた。
「うぅぅ…申し訳ありません真尋さん」
ニャル子と呼ばれた少女は、身を起こそうとするが、
ふっ…と何かに気付いた表情をすると、
「でへへ…真尋さんに抱かれちゃうとかこれ、早速ご利益でしょうか?」
胸板に頬をよせると、自慢の上目遣いでその顔を見つめる。
その頭頂部に無慈悲な手刀が叩きこまれた。


361 名前: 歳の初めの邪神参り2 [sage] 投稿日: 2014/01/10(金) 18:03:16.39 ID:kKvjyyzx
「アホなことやってないでさっさと退けろよ」
努めて無愛想な声でそういうと、真尋は力任せにニャルラトホテプの身体を抱き起こした。
滑り留めに撒かれていた砂利が背中からパラパラと落ちる。
ニャルラトホテプが泥雪や砂利に汚れていないのを確認すると、真尋は
転んだときに放り出したビニール袋を拾い上げた。
ニヒヒと嫌らしい笑みを漏らすニャルラトホテプを睨むも、
効果の程は、その笑みが深くなっただけであった。
白の生地に赤い華の模様をあしらった着物を着たその姿は、
一見して日本人ではないと知れる。美しい銀髪に澄んだ碧眼と、透き通る白い肌 。
しかし、和装を纏うその姿には不思議な調和があった。

真尋はぶっきらぼうにその手を取ると、ゆっくりと歩き出す。
「滑るから、気を付けろよな」
破顔するその顔を見ない様に、真尋は前だけを向いて歩きだす。


362 名前: 歳の初めの邪神参り3 [sage] 投稿日: 2014/01/10(金) 18:05:20.30 ID:kKvjyyzx
初詣に行きたいとねだったのはニャルラトホテプである。
二人だけでのお出かけが許された理由は、ニャルラトホテプの汚れひとつない振り袖姿が物語る。
クトゥグアは、今頃墨汁塗れの姿で幻夢境で初仕事をしていることだろう。
ハスターはまだ新年の挨拶に来たルーヒーと羽子板に興じているころだ。

広い境内には出店が並び、ニャルラトホテプと真尋は参拝客に配られていた甘酒を片手に
休憩所の畳に腰かけてその風景を楽しんだ。

「いやー、お正月って皆さんお家でヌクヌクゴロゴロしてるものと思ってましたが、なかなかどうして、賑やかなものですな~!」
「ん。まぁ、年に一度のお参りだしな」
参拝に向かう人の群れを見ながら、真尋は差し当たりのない返事をした。
「もっとご利益のある神様だったら、お正月と言わず、毎日でも拝みたくなるものですけどね」
邪神がご利益を求めて神様を拝むと言うのもシュールな話しだが、
当人の目が何やら真剣な輝きを湛えているのを見て、真尋は冷やかしの言葉を飲んだ。

「また、何かろくでもないことを考えてるんじゃないだろうな?」
「失敬な!不祥ニャルラトホテプの真剣な願いをそんじょそこらのものと一緒にされては困ります!!」
そういいつつもニャルラトホテプの物言いは何処か後ろめたさを滲ませるものだった。
「ふ~ん。…なあ、ニャル子」
「な、なんでしょう…?」
「人の通りが消えたんだけど?」
「おやまぁ、これはこれは珍しい事もあるものですねぇ」
「それに、寒さも殆ど感じないし…」
「あらまぁ、これは異常気象でしょうか?」
「なあ、ニャル子…」
「は、はい…」
「キス…しよっか」
「ゴメンなさい!もっと、イチャイチャしたくって出来心なんです…!って…え?」
「ん…」


363 名前: 歳の初めの邪神参り4 [sage] 投稿日: 2014/01/10(金) 18:10:30.28 ID:kKvjyyzx
「あむ…ん…んちゅ……」
舌を絡ませるとニャルラトホテプの身体は弛緩し、耳まで紅潮したその顔はうっとりと蕩けたものになる。
「…ン、ああ…だ、誰かに見られちゃいますよぅ…」
「…んん。ちゅ…どうせ結界を張ってあるんだろ…ん…はむ…」
「ひあ…ん!そこは、もっとこう…『構うもんか!お前が欲しい』って、あん!」
耳たぶを噛まれたニャルラトホテプの身体が畳の上を跳ねた。
真尋は応えずに、乱れた振り袖から覗く白い首筋に唇を這わせる。
「は…ぁっ!そこ…駄目…ひあんっ!」
首筋にキスをするとその身体は赤みを増し、掌に感じる体温が上がっていく。
ふうふうと、荒くなる互いの呼吸は。帯に手をかけたときに爆発的に振り切れた。
「あ~~れ~~」
荒々しく帯をひかれたニャルラトホテプが畳の上を転がった。
「あふん!」
帯が解かれたニャルラトホテプは仰向けの姿勢で、はだけた振り袖を両手で抑えている。
裾から覗くむっちりとした太股と、すらりと伸びた脚がなまめかしい。
「お前。なんか慣れてないか…?」
完璧過ぎる一連のながれに反射的にツッコミが口をつく。
「いや~、一度やってみたかったんですよ」
悪びれる様子もなく、ニャルラトホテプは顔を綻ばせた。
「全く、お前は…」
呆れた風体を繕いながら、真尋はその身体を抱きしめた。

「さっきからずっと…ニャル子をこうしたかった」
「あ…ん。ふふ…しってました…よ」
「ん…」
また、深く口づける。
「だれかに…みられちゃいますよ?」
「かまうもんか。おまえがほしい」
「えへへ」
そして彼は、鼻腔をくすぐるニャルラトホテプの香りと微かに混じる甘酒の匂いに、身も心も委ねていった。


372 名前: 歳の初めの邪神参り5 [sage] 投稿日: 2014/01/12(日) 09:21:58.44 ID:Jdpq1/Pn
蜜の様に甘い香りと、溶けて仕舞いそうな程の柔らかさと肌触りに思わず吐息が漏れる。
「綺麗だ…ニャル子」
「…っ?!は、はう…ううぅ…真顔は反則ですよぅ…」

乱れた紅い長襦袢の下から覗く肌は、冬の日の光を受けて雪の様に白く視界に浮かび上がり、
愛撫で熱を帯びた肌が扇情的に息づく。
指先に力を込めるとぎゅうひのように形を変えるその肉は、
乱暴に扱うと壊れてしまうのではないかと思う程だ。

「んあっ!あ…!ああうぅ…!」
たわわな双丘に触れると、ニャルラトホテプの反応は強まった。
手の中で膨らみが形を変える度に吐息が乱れ、甘い声音が漏れ出る。
「は…ああ、む、夢中ですね…!ひあ…あ、わたしのおっぱ…きもち…です、か?」
敏感過ぎるニャルラトホテプの反応に、真尋は疼きにも似た悦びを感じ、
だらしなく崩れそうになるその顔を、ニャルラトホテプの乳房に寄せた。
「……ッ!!吸っちゃ…ああああぁう!!」
ニャルラトホテプの身体が硬直し、おおきくわなないた。


373 名前: 歳の初めの邪神参り6 [sage] 投稿日: 2014/01/12(日) 09:24:10.12 ID:Jdpq1/Pn
「はぁ…はぁ…おっぱい…だめぇ」
大きく乱れたニャルラトホテプは、身体を弛緩させ肩で息をしている。
真尋は緩やかに上下する乳房から顔をはなすと、その手を下へと伸ばしていく、
襦袢の裾に手を入れ更にその奥に。

「ニャル子のここ、びしょびしょだ…」
太股をなぞりながらそう言うと、ニャルラトホテプは顔を蕩かせた。
「えへ…へへへ」
「な、なんで嬉しそうなんだよ…」
「だって、大好きなヒトに触られてるんです…よ?」
「……っ!!」
顔が発熱するのが解った。
「それに…真尋さんの顔…ひあぁあ?!」
電撃を喰らった様にのけ反るニャルラトホテプ。
「ご、ゴメン…痛かったか?!」
「い、いえ…!…痛いとかそういうんじゃなくて…」
「ん…?」
「い、いま…そこ…び、敏感で……」
「………」
「おっぱい触られたとき……その……いっちゃ……って……その」
「………」
「う………」
気まず気に顔を伏すニャルラトホテプの顔が見る間に紅く紅く染まり、目には羞恥の涙が浮かび始める。

「うあ……う……」
「……ごめん…ニャル子」
「は…い?」

「もう、我慢出来そうにない」
「……へ?」
真尋はそう言うと、ニャルラトホテプの唇を奪った。


374 名前: 歳の初めの邪神参り7 [sage] 投稿日: 2014/01/12(日) 09:26:23.55 ID:Jdpq1/Pn
舌を入れ、強引に口内を犯した。
乳房に指を食い込ませて揉みしだく。
「ん…!ぷぁ…あ…」
引き抜いた舌から互いの涎が混じりあった粘糸が垂れる。
「真尋しゃ…激…し!」

力の入らない身体で、もがくも真尋に組み伏せられたニャルラトホテプは成す術がない。
振り袖を剥ぎ取られ、長襦袢の下から愛液で汚れたショーツが抜き去られた。
「き、聞いてます?!さっき、イッたばかりって…にゃああぁ!!」
「ニャル子のここ…すご…い」
ワザと音をたてて愛液を啜る。
鼻先の、勃起したクリトリスを指で押し潰すと、秘部からは際限なく蜜が垂れてくる。
「ふあ…あ…ふあぁあああ!」
甘い雌の匂いに舌を擦り付ける度にニャルラトホテプは身体を震わせた。
その小刻みな律動は、徐々に不規則な波に変わり、甘い声音が嬌声に転じた。

「い…くぅう…いっちゃ…ううぅ……ひぁ……ん?」
絶頂の寸前。ピタリとその動きが止まった。
「ニャル子」
「え……う?」
寸止めの余韻で朦朧とする碧眼は、目の前に晒されたグロテスクなそれを見て、
「きて……下さい」
優しく微笑んだ。


375 名前: 歳の初めの邪神参り8 [sage] 投稿日: 2014/01/12(日) 09:27:59.61 ID:Jdpq1/Pn
絡みつく粘膜にペニスを擦り付けると、白味を帯びだした愛液が溢れ出す。
「ニャル子のナカ…すご…!!」
熱いうねりと化した柔肉が、カリ首の裏にまで絡み付き、
挿送する度に頭の中が白く飛んでいきそうな快感に襲われる。
膣の奥に突き挿れた亀頭が子宮を叩くと、その柔らかなすぼまりはキツく幹を締め付けた。
「はぅ…!ああ!また…いくぅう…!」
「くぅ…僕も、もう…くっ!」
痙攣する膣肉に締め上げられたペニスがニャルラトホテプの奥で爆ぜた。

人気の無い空間。静謐な静寂の中で、二人の吐息だけがその中で響いていた。

376 名前: 歳の初めの邪神参り・おわり [sage] 投稿日: 2014/01/12(日) 09:30:51.22 ID:Jdpq1/Pn
「ん……と、さ」
「?なんでしょう」
滑りやすい氷の上を手を繋いで歩く。
行き交う参拝者達の間を縫う様に。
「これ、書いて行かないか?」
真尋は持っていたビニール袋を掲げて見せる。
カランと木のぶつかる音がした。
「はて…これは?」
袋の中から出て来た五角形の木の板を見て、ニャルラトホテプが小首を傾げた。
「絵馬って言うんだ…ほら」
二人の向かう先には同じ様な絵馬が沢山下げられた絵馬掛けがある。
「願いを書いたら叶う……って言う…さ」
そういうと、ちらりとみやったニャルラトホテプの顔が輝いて、
「真尋さん!愛しています!ずっと側に居て下さい!」
「そ、それは僕のおねが…うわ!飛びつくな!」
バランスを崩した二つの影はもろともにすっころんだ。


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以上ですまたまたお目汚し失礼しました。

  • 最終更新:2014-08-16 15:16:25

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