気がつくとニャル子は泣いていた

374 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/21(月) 01:56:09.80 ID:syqsDmjT [1/8]
昼下がりの八坂家
いつものようにニャル子が真尋の腕にくっついていた

「まっひろさーん!甘えてもいいんですよー!」
「う、うっさい!早く離れろ!」
「照れちゃってー、可愛いですねっ」

「もうちょっと控えてくれよニャル子、疲れる」
「あ、そうですね。だが断る!」
「ニャル子、本当に僕の事が好きなのか?」
「・・・?なんでそんな事言うんですか?」
「答えなんて決まってるじゃないですか 大好きです!」
「まぁ大人しいニャル子はちょっと不気味だからそのままでいいよ」
「不気味ってどういうことですか!せめてSAN値が減ると言ってください!」

やはり真尋のガードは堅くデレる気配すらない
猛アタックを浴びせてるのに全く効かない
好きな人と一緒に過ごせる毎日は楽しい、がニャル子にも限界が近づいていた

部屋のベッドに転げ一人考えるニャル子

「うーん、どうすれば真尋さんは落ちてくれるんでしょうねぇ・・・」

今まで何度も考えてきた
しかしどれもことごとく失敗に終わっている

異星人というものが引っかかってるのだと分かっている
それを跳ね返すほどの魅力が無かったのか

「ふぇ・・・ぐすっ・・・」

気がつくとニャル子は泣いていた

「ぐすっ・・うぇぇぇええ・・・」

真尋さんに聞こえてはいけない一心で一人になっても出さなかったが
こみ上げてくるものを抑えきれなかった

375 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/21(月) 01:57:09.85 ID:syqsDmjT [2/8]
「なん・・・でっ・・・ぐすっ」

こんなにも好きなのに、こんなにも胸が痛くて切なくて
真尋さんのことを想っているのに

「まひろ・・・さん・・・」

その時、ドアをノックする音が聞こえる

真尋「ニャル子、居るかー?」

慌てて袖で涙を拭く
さっきまで泣いていたので少しおかしな声で返事をする

「どうしたんですか真尋さん?もしや!とうとう私を抱きに・・・」
「ニャル子」

頭に触れる覚えのある暖かい感触

「まひろさん・・・?」
「・・・今日だけだからな」

前にも撫でられたことはあったものの あの時とは違って二人きり
それが同情であったとしても 嬉しくてたまらなかった

「ぐすっ・・・」

泣いてはいけないのに 抑えないといけないのに
撫でられる嬉しさと それがすぐに終わってしまうかもしれないという不安さに勝てなかった

「ごめんなさい・・・」

ふいに真尋さんの匂いが強くなって
頭の上だけだった暖かい感触が全身を包むように広がった

「・・・ダメですよ真尋さん 中途半端にこんなことしちゃ」

真尋さんは何も言わず腕の力だけを強くした

376 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2012/05/21(月) 01:57:34.26 ID:syqsDmjT [3/8]
「ずっと・・・甘えちゃいそうです・・・」
「あと少しだけだぞ・・・」

緊張しているのが手に取るように分かる
それは私もです、が

「・・・まひろさん」
「悩んでください、考えてください、答えを出して、私に返事を聞かせてください」
「でも・・・」
「できる限り、早くしてくださいね?」
「女の子は・・・好きな人にほったらかしにされるのが」
「一番・・・嫌いな生き物なんですから・・・」

「ニャル子・・・」

少し照れた表情で見つめてくる
真尋さんを見て我慢出来る訳がありません

「そうですね、ちょっとだけです」

少し強引に、不意打ちで唇を奪う

「―っ! にゃ、ニャル子っ!」
「えへへ、約束ですよ」

「本当に今日だけだからなっ あと誰にも言うなよ!」
「分かってますよ」

「でも・・・毎日こういうことしても・・・おかしくない関係に、なりたいです」


  • 最終更新:2014-08-16 09:57:51

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード